ボーナスの手取りはいくら?社会保険料と所得税の計算方法【令和8年】
ボーナス(賞与)は、額面の金額がそのまま振り込まれるわけではありません。毎月の給与と同じように、社会保険料と所得税が引かれます。
- ボーナスの手取り = 額面 − 社会保険料 − 所得税
- 社会保険料は、額面のおよそ14.7%(40歳未満の場合)
- 所得税の率は、前の月の給与の金額で決まる
- 住民税は、ボーナスからは引かれない
月給30万円(40歳未満・扶養なし)の人なら、手取りは額面の約82%です。月給が高い人ほど所得税の率が上がり、手取りの割合は下がります。
この記事の数字は、令和8年度(2026年度)の協会けんぽ・東京都の保険料率と、令和8年分の国税庁の表で計算しています。
ボーナスから引かれるもの
| 項目 | ボーナスから |
|---|---|
| 健康保険 | 引かれる |
| 子ども・子育て支援金 | 引かれる |
| 介護保険(40〜64歳) | 引かれる |
| 厚生年金 | 引かれる |
| 雇用保険 | 引かれる |
| 所得税 | 引かれる |
| 住民税 | 引かれない |
住民税は、前の年の所得で決まった1年分の税額を、6月から翌年5月までの毎月の給与から12回に分けて引くしくみです。そのため、ボーナスからは引かれません。
社会保険料の計算
健康保険・介護保険・厚生年金は、「標準賞与額」に保険料率を掛けて計算します。標準賞与額は、ボーナスの額面から1,000円未満を切り捨てた金額です。額面が503,800円なら、標準賞与額は503,000円です。
雇用保険だけは、切り捨てをせずに額面にそのまま率を掛けます。
| 保険 | 本人の率 |
|---|---|
| 健康保険 | 4.925% |
| 子ども・子育て支援金 | 0.115% |
| 介護保険(40〜64歳) | 0.81% |
| 厚生年金 | 9.15% |
| 雇用保険 | 0.5% |
- 40歳未満の合計:4.925% + 0.115% + 9.15% + 0.5% = 14.69%
- 40〜64歳の合計:介護保険の0.81%が加わって 15.5%
率は、毎月の給与から引かれるときと同じです。健康保険の率は、都道府県や加入している健康保険組合によって違います。雇用保険の率は、一般の事業の場合です。
ボーナスが60万円(40歳未満)のときの社会保険料は、次のとおりです。
| 保険 | 率 | 金額 |
|---|---|---|
| 健康保険 | 5.04% | 30,240円 |
| 厚生年金 | 9.15% | 54,900円 |
| 雇用保険 | 0.5% | 3,000円 |
| 合計 | 14.69% | 88,140円 |
健康保険の5.04%は、子ども・子育て支援金を合わせた率です。どれも60万円に率を掛けた金額です。
標準賞与額の上限
標準賞与額には上限があります。
- 厚生年金:1か月あたり150万円
- 健康保険:1年度(4月〜翌年3月)の合計で573万円
ボーナスが200万円でも、厚生年金の保険料は 150万円 × 9.15% = 137,250円 までです。
所得税の計算
ボーナスの所得税は、次の式で計算します。
所得税 =(ボーナスの額面 − ボーナスの社会保険料)× 税率
この税率は、ボーナスの金額ではなく、前の月の給与で決まります。手順は次の3つです。
- 前の月の給与から、その月の社会保険料を引く
- その金額と、扶養親族等の数から、下の表で税率を調べる
- ボーナスから社会保険料を引いた金額に、その税率を掛ける
税率の表(令和8年分)
前の月の給与(社会保険料を引いたあとの金額)と税率の関係です。金額の単位は万円で、「9.4〜26」は9.4万円以上26万円未満を表します。「扶養◯人」は、扶養親族等の数です。
| 税率 | 扶養0人 | 扶養1人 |
|---|---|---|
| 0% | 8.2未満 | 10.7未満 |
| 2.042% | 8.2〜9.4 | 10.7〜25 |
| 4.084% | 9.4〜26 | 25〜28.9 |
| 6.126% | 26〜30.9 | 28.9〜34.6 |
| 8.168% | 30.9〜34.2 | 34.6〜37.3 |
| 10.21% | 34.2〜37.2 | 37.3〜40.1 |
| 12.252% | 37.2〜40.2 | 40.1〜43 |
| 14.294% | 40.2〜43.3 | 43〜46.3 |
| 16.336% | 43.3〜52 | 46.3〜52 |
| 18.378% | 52〜60.5 | 52〜62.1 |
| 20.42% | 60.5〜68.4 | 62.1〜70.5 |
- 国税庁の「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表(令和8年分)」の甲欄から抜き出したものです。これより高い金額や、扶養親族等が2人以上の場合の率も、同じ表に載っています。
- 税率には、復興特別所得税が含まれています。
- 「扶養親族等の数」は、会社に出している扶養控除等申告書に書いた配偶者や親族の人数です。人数が多いほど、同じ給与でも税率が低くなります。
- 計算した税額の1円未満は切り捨てます。
令和8年分の表は、基礎控除などの改正に合わせて、令和7年分から金額の区切りが変わっています。
計算例:月給30万円、ボーナス60万円
40歳未満・扶養親族等が0人・協会けんぽ東京都の場合で、順に計算します。
1. 前の月の給与から社会保険料を引く
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 前の月の給与 | 300,000円 |
| 健康保険(支援金を含む) | 15,120円 |
| 厚生年金 | 27,450円 |
| 雇用保険 | 1,500円 |
| 差し引いた金額 | 255,930円 |
2. 税率を調べる
255,930円は、扶養0人の「9.4〜26」(9.4万円以上26万円未満)に入るので、税率は4.084%です。
3. ボーナスの所得税と手取りを計算する
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| ボーナスの額面 | 600,000円 |
| 社会保険料 | 88,140円 |
| 所得税(511,860円 × 4.084%) | 20,904円 |
| 手取り | 490,956円 |
手取りは額面の81.8%です。40〜64歳で介護保険料がかかる場合は、社会保険料が93,000円、所得税が20,705円になり、手取りは486,295円(81.0%)です。
月給別の早見表(ボーナス50万円の場合)
ボーナスの額面が50万円のときの手取りを、前の月の給与別にまとめました。社会保険料は、どの行も73,450円です。所得税と手取りの単位は円です。
| 前月給与 | 税率 | 所得税 | 手取り |
|---|---|---|---|
| 20万円 | 4.084% | 17,420 | 409,130 |
| 25万円 | 4.084% | 17,420 | 409,130 |
| 30万円 | 4.084% | 17,420 | 409,130 |
| 35万円 | 6.126% | 26,130 | 400,420 |
| 40万円 | 8.168% | 34,840 | 391,710 |
| 45万円 | 12.252% | 52,260 | 374,290 |
| 50万円 | 14.294% | 60,971 | 365,579 |
| 60万円 | 16.336% | 69,681 | 356,869 |
※ 40歳未満・扶養親族等が0人・協会けんぽ東京都の場合。前月の給与は額面で、その金額に対応する標準報酬月額で社会保険料を計算しています。
手取りの割合は、前月の給与が30万円までなら額面の81.8%、40万円で78.3%、50万円で73.1%、60万円で71.4%です。
社会保険料と所得税はどちらもボーナスの金額に比例するので、手取りの「割合」はボーナスの金額が変わってもほぼ同じです。月給30万円の人なら、ボーナスが30万円でも100万円でも、手取りは額面の約82%になります。
前の月に残業が多いと、ボーナスの所得税が増える
税率は前の月の給与で決まるため、前の月だけ残業代が多かった場合は、ボーナスの所得税が増えることがあります。
月給30万円の人が、前の月に残業代を2万円もらった例です。ボーナスは60万円とします。
| 前月給与 | 税率 | 所得税 |
|---|---|---|
| 300,000円 | 4.084% | 20,904円 |
| 320,000円 | 6.126% | 31,356円 |
前の月の給与が320,000円のとき、社会保険料を引いた金額は275,830円です。これは「26〜30.9」に入るので、税率が6.126%になります。
残業代の2万円で税率が1段階上がり、ボーナスの所得税が10,452円増えます。
ただし、これは損をしたわけではありません。ボーナスから引かれる所得税は仮の金額で、1年間の正しい所得税は年末調整で計算し直されます。引かれすぎていた分は、年末調整で戻ってきます。
社会保険料が引かれない場合
次の場合は、ボーナスから健康保険と厚生年金の保険料が引かれません。
- 退職する月のボーナス:月の途中で退職する場合、その月に支給されたボーナスからは保険料が引かれません。月の末日に退職する場合は引かれます。
- 育児休業中のボーナス:ボーナスが支給された月の末日を含めて、連続して1か月を超える育児休業を取っている場合は、保険料が免除されます。
どちらの場合も、所得税と雇用保険料は引かれます。
前の月に給与がない場合など
次の場合は、上の表を使わず、毎月の給与に使う税額表(月額表)で計算する決まりになっています。
- 前の月に給与の支払いがない場合
- ボーナス(社会保険料を引いたあと)が、前の月の給与(社会保険料を引いたあと)の10倍を超える場合
計算は会社が行うので、自分で計算する必要はありません。入社してすぐのボーナスなどで、引かれる所得税がいつもとちがうときは、この決まりによるものです。
年間の手取りを知りたいとき
ボーナスを含めた1年間の手取りは、手取り計算機で計算できます。年収とボーナスの金額を入れると、社会保険料・所得税・住民税を引いた手取りと、その内訳がわかります。
無料の計算ツール手取り計算機年収か月収を入れるだけで、手取りと引かれる金額の内訳がわかります。ボーナスの金額と回数も指定できます。使ってみる ›毎月の給与から引かれる社会保険料のしくみは「社会保険料の計算方法」、手取り全体の考え方は「手取りとは?額面との違いと計算方法」で説明しています。
まとめ
- ボーナスから引かれるのは、社会保険料と所得税です。住民税は引かれません。
- 社会保険料は、額面の1,000円未満を切り捨てた標準賞与額に料率を掛けます。40歳未満なら、額面の約14.7%です。
- 所得税は、ボーナスから社会保険料を引いた金額に税率を掛けます。税率は、前の月の給与と扶養親族等の数で決まります。
- 手取りは、額面のおよそ7〜8割です。月給が高い人ほど、割合は下がります。
- 引かれた所得税は仮の金額で、年末調整で精算されます。
この記事は2026年10月時点の制度で計算しています。保険料率は協会けんぽ・東京都(令和8年度)、税率は国税庁「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表(令和8年分)」によります。実際の金額は、加入している健康保険や扶養親族等の数によって変わります。