失業保険(基本手当)の計算のしかた
基本手当とは
失業保険は、正式には「雇用保険の基本手当」といいます。雇用保険に入っていた人が離職し、働く意思と能力があるのに仕事が見つからないときに、ハローワークで手続きをして受け取ります。
受け取れる金額は、次の2つで決まります。
- 基本手当日額:1日あたりの金額。退職前の賃金と年齢で決まります。
- 所定給付日数:受け取れる日数の上限。年齢、雇用保険に入っていた期間、離職の理由で決まります。
基本手当日額の計算
まず、離職前6か月の賃金の合計を180で割って、「賃金日額」を出します。ボーナスは含めません。
賃金日額 = 離職前6か月の賃金の合計 ÷ 180
賃金日額に給付率(50〜80%。60〜64歳は45〜80%)を掛けたものが、基本手当日額です。賃金が低い人ほど、給付率は高くなります。
| 賃金日額(w) | 給付率 | 基本手当日額 |
|---|---|---|
| 3,203円〜5,479円 | 80% | 0.8 × w |
| 5,480円〜13,490円 | 80〜50% | 下の式 |
| 13,491円〜上限額 | 50% | 0.5 × w |
基本手当日額 = 0.8 × w − 0.3 ×(w − 5,480)÷(13,490 − 5,480)× w
上は、離職時の年齢が59歳以下の場合です。60〜64歳の場合は、賃金日額が 5,480円〜12,120円のときに次の2つの式のうち低いほうを使い、12,120円を超えると給付率が45%になります。
0.8 × w − 0.35 ×(w − 5,480)÷(12,120 − 5,480)× w / 0.05 × w + 4,848
1円未満は切り捨てます。
上限額と下限額(令和8年(2026年)8月1日から)
| 離職時の年齢 | 賃金日額の上限 | 基本手当日額の上限 |
|---|---|---|
| 29歳以下 | 14,900円 | 7,450円 |
| 30〜44歳 | 16,540円 | 8,270円 |
| 45〜59歳 | 18,220円 | 9,110円 |
| 60〜64歳 | 17,400円 | 7,830円 |
下限額は、年齢にかかわらず、賃金日額が 3,203円、基本手当日額が 2,562円です。これらの金額は、毎年8月1日に見直されます。
所定給付日数
自己都合・定年・契約期間の満了などで離職した人(65歳未満)
| 雇用保険に入っていた期間 | 日数 |
|---|---|
| 1年以上10年未満 | 90日 |
| 10年以上20年未満 | 120日 |
| 20年以上 | 150日 |
倒産・解雇などで離職した人(特定受給資格者と、一部の特定理由離職者)。単位は日です。
| 年齢 | 1年 | 1〜 | 5〜 | 10〜 | 20年 |
|---|---|---|---|---|---|
| 29歳以下 | 90 | 90 | 120 | 180 | — |
| 30〜34歳 | 90 | 120 | 180 | 210 | 240 |
| 35〜44歳 | 90 | 150 | 180 | 240 | 270 |
| 45〜59歳 | 90 | 180 | 240 | 270 | 330 |
| 60〜64歳 | 90 | 150 | 180 | 210 | 240 |
就職困難者(障害のある人など)
| 年齢 | 1年未満 | 1年以上 |
|---|---|---|
| 44歳以下 | 150日 | 300日 |
| 45〜64歳 | 150日 | 360日 |
受け取るための条件
- 原則として、離職前の2年間に、雇用保険の被保険者期間が通算12か月以上あること。
- 倒産・解雇などで離職した人(特定受給資格者)と特定理由離職者は、離職前の1年間に通算6か月以上あれば受け取れます。
- ハローワークで求職の申込みをして、働く意思と能力があるのに、仕事に就けない状態であること。
受け取れる期間は、原則として、離職した日の翌日から1年間です。この期間を過ぎると、日数が残っていても受け取れなくなります。
待期と給付制限
- 待期:ハローワークで手続きをした日から7日間は、離職の理由にかかわらず支給されません。
- 給付制限:自己都合で退職した場合は、待期のあと、さらに原則1か月は支給されません(2025年4月1日以降に退職した場合。それより前の退職は2か月)。
- 過去5年間に2回以上、自己都合で退職して受給資格の決定を受けている場合と、自分の重大な責任で解雇された場合は、給付制限が3か月になります。
- 2025年4月以降は、自分で教育訓練などを受けた場合に、給付制限が解除されるしくみがあります。
計算例
35歳、退職前6か月の月給の平均が30万円、雇用保険に入っていた期間が8年、自己都合で退職した場合です。
- 賃金日額:300,000円 × 6 ÷ 180 = 10,000円
- 基本手当日額:0.8 × 10,000 − 0.3 ×(10,000 − 5,480)÷ 8,010 × 10,000 = 6,307円
- 所定給付日数:90日
- 総額の目安:6,307円 × 90日 = 567,630円
この計算で考えていないもの
- 65歳以上で離職した場合(基本手当ではなく、高年齢求職者給付金という一時金になります)
- 受給中にアルバイトなどをして収入があった場合の減額
- 早く再就職した場合の再就職手当
- 日給・時給で働いていて、賃金日額に最低保障の計算が使われる場合
くわしい手続きや、自分がどの区分にあたるかは、住所地を管轄するハローワークで確かめてください。