所得金額とは?収入金額との違いと年末調整での計算方法

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年末調整の書類や扶養の条件には「所得金額」「合計所得金額」という言葉が出てきます。これは年収(収入金額)とは別の金額で、書類にそのまま年収を書くとまちがいになります。この記事では、収入金額と所得金額の違い、給与の場合の計算方法、年末調整で書くところを、令和8年分(2026年分)の金額で説明します。

  • 収入金額 = 受け取った金額の合計(給与なら源泉徴収票の「支払金額」、いわゆる額面の年収)
  • 所得金額 = 収入金額 − 経費にあたる金額(給与なら「給与所得控除」)
  • 合計所得金額 = 給与所得・事業所得・雑所得などの所得金額の合計

収入金額と所得金額の違い

収入金額は、1年間(1月〜12月)に受け取った金額の合計です。所得金額は、そこから「その収入を得るためにかかった分」を引いた残りです。何を引くかは、収入の種類によって決まっています。

収入の種類所得金額
給与収入 − 給与所得控除
事業収入 − 必要経費
雑所得収入 − 必要経費

給与は会社員・パート・アルバイトの給料、事業は個人事業やフリーランスの売上、雑所得は副業の原稿料などです。

会社員は、実際にかかった経費を集計するかわりに、収入に応じて決まった額(給与所得控除)を引きます。そのため、給与だけの人は収入金額さえわかれば所得金額を計算できます。

なお、所得金額から医療費控除や社会保険料控除などの「所得控除」を引いた残りは「課税所得(課税される所得金額)」と呼ばれ、所得金額とは別のものです。所得税はこの課税所得にかかります。

給与所得の計算方法(令和8年分)

給与所得控除の額は、給与の収入金額によって次のように決まっています。令和8年分と令和9年分はこの表を使います(令和8年12月1日施行の改正後の金額です)。表は上の段から順に見て、最初に当てはまる段を使います(たとえば300万円なら「360万円以下」の段)。

収入金額給与所得控除の額
220万円以下74万円
360万円以下収入 × 30% + 8万円
660万円以下収入 × 20% + 44万円
850万円以下収入 × 10% + 110万円
850万円超195万円

令和7年分は、いちばん下の段の控除が65万円でした。令和8年分は74万円に上がったので、同じ年収でも給与所得は少なくなります。

計算例:給与の収入金額が500万円の場合

  • 給与所得控除 = 500万円 × 20% + 44万円 = 144万円
  • 給与所得 = 500万円 − 144万円 = 356万円

収入金額が74万1,000円未満なら、給与所得は0円です。74万1,000円以上219万1,000円未満なら「収入金額 − 74万円」で求めます。

収入金額が220万円以上660万円未満のときは、収入金額を4で割って千円未満を切り捨ててから計算する方法(国税庁の申告書の記載例にある計算方法)を使います。このため、上の表の式でそのまま計算した額と、数百円〜千円ほどずれることがあります。たとえば収入金額333万3,333円では、記載例の方法で225万2,400円、表の式どおりだと225万3,333円です。書類には記載例の方法で計算した額を書きます。

年収別の早見表

給与だけで、ほかに所得がない場合の令和8年分の金額です。この場合は給与所得がそのまま合計所得金額になります。

収入金額給与所得基礎控除
100万円26万円104万円
150万円76万円104万円
200万円126万円104万円
300万円202万円104万円
400万円276万円104万円
500万円356万円104万円
600万円436万円104万円
700万円520万円67万円
800万円610万円67万円
1,000万円805万円62万円

基礎控除の額は、合計所得金額で決まります。令和8年分・令和9年分は、合計所得金額が489万円以下なら104万円、489万円超655万円以下なら67万円、655万円超2,350万円以下なら62万円です。2,350万円を超えると段階的に少なくなり、2,500万円を超えると0円です。

収入金額を入れると、給与所得・合計所得金額・基礎控除の額をまとめて計算できます。

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合計所得金額の出し方

合計所得金額は、給与所得のほかに事業所得や雑所得などがあるとき、それぞれの所得金額を足したものです。

計算例:給与の収入金額400万円、副業の原稿料の収入50万円(経費10万円)の場合

  • 給与所得 = 400万円 − (400万円 × 20% + 44万円) = 276万円
  • 雑所得 = 50万円 − 10万円 = 40万円
  • 合計所得金額 = 276万円 + 40万円 = 316万円

この場合、合計所得金額は489万円以下なので、基礎控除は104万円です。副業の収入50万円ではなく、経費を引いた所得40万円を足すところがポイントです。

収入金額どうし(400万円 + 50万円)を足してから給与所得控除を引くのはまちがいです。給与所得控除を引けるのは給与の収入だけです。

年末調整で書くところ

年末調整では、勤務先に出す「基礎控除申告書」(配偶者控除等申告書などと1枚になった用紙)に、その年の合計所得金額の見積額を書く欄があります。

  1. 給与の欄に、その年の給与の「収入金額」の見込み(年の途中で転職した人は前の勤務先の分も含む)と、そこから計算した「所得金額」を書く
  2. 給与以外に所得があれば、その所得金額の合計を書く
  3. 1と2を足した額が合計所得金額の見積額。この額で基礎控除の額が決まる

給与の欄で「収入金額」と「所得金額」を取りちがえると、基礎控除の区分がずれることがあります。12月の給与までの見込みで書くので、ぴったりでなくてもかまいませんが、区分の境目(489万円・655万円など)に近い人は丁寧に計算しておくと安心です。

扶養の条件の「所得」も所得金額のこと

家族を扶養に入れるときの条件も、収入ではなく合計所得金額で決まっています。令和8年分から、扶養親族の所得の条件は「合計所得金額62万円以下」です(令和7年分は58万円以下)。

給与だけの家族なら、給与所得が62万円以下になる収入金額は、136万円 − 74万円 = 62万円なので、計算上は収入136万円までです。パートやアルバイトをしている家族の年収を確かめるときは、収入金額から給与所得控除を引いて所得金額に直してから、条件と比べます。

収入850万円を超える人の所得金額調整控除

給与の収入金額が850万円を超え、23歳未満の扶養親族がいる人などは、「所得金額調整控除」として(収入金額 − 850万円)× 10%(収入金額は1,000万円が上限なので、最大15万円)を給与所得から引けます。収入1,000万円なら給与所得805万円から15万円を引いて790万円です。年末調整では、同じ用紙の所得金額調整控除の欄に書きます。

まとめ

  • 所得金額は、収入金額から給与所得控除や必要経費を引いた金額
  • 令和8年分の給与所得控除は最低74万円。年収500万円なら給与所得は356万円
  • 合計所得金額は各所得金額の合計で、基礎控除の額や扶養の条件(62万円以下)を決める
  • 年末調整の基礎控除申告書には、収入金額と所得金額の両方を書く

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