有給休暇の日数と1日分の賃金の計算方法|パート・アルバイトの場合も
有給休暇(年次有給休暇)は、正社員だけの制度ではありません。パートやアルバイトでも、条件を満たせば勤務日数に応じた日数がもらえます。
- 働き始めて6か月たち、出勤率が8割以上なら、有給休暇がもらえる
- フルタイムは10日から始まり、最大で年20日
- 週4日以下のパート・アルバイトは、勤務日数に応じて1〜15日
- 有給を取った日の賃金の計算方法は3つあり、どれを使うかは就業規則で決まっている
有給休暇がもらえる条件
次の2つを満たすと、有給休暇がもらえます。
- 雇われた日から6か月、続けて勤めている
- その期間の出勤率が8割以上
2回目からは1年ごとに、直前の1年間の出勤率が8割以上であれば、新しい日数がもらえます。
出勤率の計算
出勤率 = 出勤した日数 ÷ 全労働日(働くことになっていた日数)
たとえば6か月の全労働日が120日で、出勤が100日なら、100 ÷ 120 = 83.3%で、条件を満たします。
次の期間は、休んでいても出勤したものとして数えます。
- 仕事が原因のけがや病気で休んだ期間
- 産前産後の休業
- 育児休業、介護休業
- 有給休暇を取った日
フルタイムの日数
週5日以上、または週30時間以上働く人の日数です。
| 勤続年数 | 日数 |
|---|---|
| 6か月 | 10日 |
| 1年6か月 | 11日 |
| 2年6か月 | 12日 |
| 3年6か月 | 14日 |
| 4年6か月 | 16日 |
| 5年6か月 | 18日 |
| 6年6か月以上 | 20日 |
パートやアルバイトでも、週30時間以上、または週5日以上働いている人は、この表の日数です。
パート・アルバイトの日数
週の所定労働時間が30時間未満で、週の所定労働日数が4日以下の人は、勤務日数に応じた日数になります。単位は日です。
| 勤続年数 | 週4 | 週3 | 週2 | 週1 |
|---|---|---|---|---|
| 6か月 | 7 | 5 | 3 | 1 |
| 1年6か月 | 8 | 6 | 4 | 2 |
| 2年6か月 | 9 | 6 | 4 | 2 |
| 3年6か月 | 10 | 8 | 5 | 2 |
| 4年6か月 | 12 | 9 | 6 | 3 |
| 5年6か月 | 13 | 10 | 6 | 3 |
| 6年6か月〜 | 15 | 11 | 7 | 3 |
週の勤務日数が決まっていない人は、1年間の所定労働日数で見ます。
| 週の日数 | 1年の日数 |
|---|---|
| 週4日 | 169〜216日 |
| 週3日 | 121〜168日 |
| 週2日 | 73〜120日 |
| 週1日 | 48〜72日 |
有給を取った日の賃金:3つの計算方法
有給休暇を取った日の賃金は、次の3つのどれかで計算します。どれを使うかは、会社が就業規則で決めています。その都度選ぶことはできません。
1. 通常の賃金
その日に働いた場合と同じ賃金を払う方法です。
- 時給の人:時給 × その日の所定労働時間
- 月給の人:有給を取っても、月給をそのまま払う(減らさない)
時給1,200円で、その日のシフトが5時間なら、1,200円 × 5時間 = 6,000円です。
2. 平均賃金
直前3か月の賃金から、1日あたりの金額を出す方法です。
平均賃金 = 直前3か月の賃金の総額 ÷ その期間の暦の日数
賃金の締切日がある場合は、直前の締切日からさかのぼった3か月で計算します。ボーナスなど、3か月を超える期間ごとに払われる賃金は含めません。
時給や日給の人は、働いた日が少ないと金額が低くなりすぎるので、最低保障があります。
最低保障 = 直前3か月の賃金の総額 ÷ その期間に働いた日数 × 60%
2つを比べて、高いほうが平均賃金になります。
計算例:時給1,200円、1日5時間、週3日のパート。4〜6月(暦の日数91日)に39日働き、賃金の総額が234,000円の場合。
- 原則:234,000円 ÷ 91日 = 2,571円
- 最低保障:234,000円 ÷ 39日 × 60% = 3,600円
高いほうの3,600円が、有給1日分の賃金です。通常の賃金で計算した場合の6,000円より、2,400円少なくなります。勤務日数の少ない人ほど、平均賃金の方式では金額が低くなります。
3. 標準報酬日額
健康保険の標準報酬月額を30で割った金額を払う方法です。この方法を使うには、会社と従業員の代表との書面の協定(労使協定)が必要です。
標準報酬月額が20万円なら、200,000円 ÷ 30 = 6,666.6…円で、端数を整えて6,670円です。5円未満は切り捨て、5円以上は10円に切り上げます。
どの方法かを確認するには
就業規則の「年次有給休暇」か「賃金」の項目に書かれています。見つからないときは、勤め先に確認します。
知っておきたい決まり
2年で消える
有給休暇は、もらった日から2年で時効になります。その年に使わなかった分は、翌年に繰り越せます。
年5日は必ず取る
年10日以上の有給休暇がもらえる人には、会社が年5日を取らせる義務があります。パート・アルバイトでも、もらえる日数が10日以上になれば対象です。上の表では、週4日で勤続3年6か月から、週3日で勤続5年6か月からです。
時間単位で取れる場合がある
労使協定がある会社では、年5日分までを時間単位で取れます。
給与明細で確認する
有給休暇を取った月の給与は、明細の「有休」の欄で確認できます。時給の人の有休手当は、アルバイト・パートの給与明細ツールで計算できます。
無料の計算ツールアルバイト・パートの給与明細有給休暇を取った日の所定労働時間を入れると、通常の時給で有休手当を計算し、社会保険料と所得税を引いた給与明細を作れます。使ってみる ›まとめ
- 6か月続けて勤め、出勤率が8割以上なら、有給休暇がもらえます。
- フルタイムは10日から20日、週4日以下のパート・アルバイトは1日から15日です。
- 有給を取った日の賃金は、通常の賃金、平均賃金、標準報酬日額のどれかで、就業規則で決まっています。
- 時給の人は、平均賃金の方式だと、通常の賃金より少なくなることがあります。
- 有給休暇は2年で消えます。年10日以上もらえる人は、年5日を必ず取ります。