基礎代謝量とは?計算式と1日の消費カロリーの出し方
基礎代謝量は、何もせずにじっとしていても、生きていくために使われるエネルギーの量です。性別・年齢・身長・体重がわかれば、計算式で推定できます。
- 基礎代謝量 =(0.1238 + 0.0481 × 体重 + 0.0234 × 身長 − 0.0138 × 年齢 − 性別の数)× 1000 ÷ 4.186
- 1日の消費カロリーの目安 = 基礎代謝量 × 身体活動レベル(低い 1.50、ふつう 1.75、高い 2.00)
- 例:男性・35歳・身長170cm・体重65kgなら、基礎代謝量は約1,481kcal、1日の消費カロリーの目安は約2,592kcal(活動量がふつうの場合)
この記事では、基礎代謝量の計算式と、そこから1日の消費カロリーを出す方法を、計算例つきで説明します。
基礎代謝量とは
基礎代謝量は、目が覚めている状態で、体を横にして静かにしているときに使うエネルギーの量です。呼吸をする、心臓を動かす、体温を保つといった、生きていくために最低限必要なはたらきに使われます。単位はkcal(キロカロリー)で、ふつうは1日あたりの量で表します。
1日に使うエネルギーは、大きく3つに分けられます。厚生労働省の健康情報サイト「e-ヘルスネット」などでは、活動量が標準的な人の場合の割合を、次のように説明しています。
- 基礎代謝(約60%):じっとしていても使う分
- 身体活動(約30%):歩く、家事、仕事、運動などで使う分
- 食事誘発性熱産生(約10%):食べたものの消化・吸収に使う分
1日に使うエネルギーの半分以上は、基礎代謝量です。そのため、基礎代謝量がわかると、1日にどのくらいのエネルギーを使っているかの見当がつきます。
基礎代謝量の計算式
基礎代謝量を正確に知るには、専用の装置で呼吸を測る必要があります。ふだんは、性別・年齢・身長・体重から計算式で推定します。
ここでは、日本人のデータをもとに作られた「国立健康・栄養研究所の式」を使います。体重はkg、身長はcmで入れます。
基礎代謝量(kcal/日) =(0.1238 + 0.0481 × 体重 + 0.0234 × 身長 − 0.0138 × 年齢 − 性別の数)× 1000 ÷ 4.186
性別の数:男性は 0.5473、女性は 1.0946
計算例(男性・35歳・170cm・65kg)
かっこの中を先に計算します。
- 0.0481 × 65 = 3.1265
- 0.0234 × 170 = 3.978
- 0.0138 × 35 = 0.483
- 0.1238 + 3.1265 + 3.978 − 0.483 − 0.5473 = 6.198
- 6.198 × 1000 ÷ 4.186 = 1,480.6… → 約1,481kcal
計算例(女性・30歳・158cm・50kg)
- 0.0481 × 50 = 2.405
- 0.0234 × 158 = 3.6972
- 0.0138 × 30 = 0.414
- 0.1238 + 2.405 + 3.6972 − 0.414 − 1.0946 = 4.7174
- 4.7174 × 1000 ÷ 4.186 = 1,126.9… → 約1,127kcal
男性・35歳・170cm・65kgの基礎代謝量を計算する ›
式からわかること
この式を見ると、何が変わると基礎代謝量がどのくらい変わるかがわかります。
| 変わるもの | 基礎代謝量 |
|---|---|
| 体重が1kg増える | 約11.5kcal増える |
| 身長が1cm高い | 約5.6kcal多い |
| 年齢が1歳上がる | 約3.3kcal減る |
| 女性の場合 | 約131kcal少ない |
「女性の場合」は、身長・体重・年齢が同じ男性とくらべた差です。
体が大きい人ほど基礎代謝量は多く、年齢が上がると少しずつ減っていきます。10歳年をとると、体重や身長が同じでも約33kcal減る計算です。
年齢・体重別の基礎代謝量
上の式で計算した、年齢別と体重別の基礎代謝量です。
年齢別(男性は170cm・65kg、女性は158cm・50kgの場合)
| 年齢 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 20歳 | 1,530kcal | 1,160kcal |
| 30歳 | 1,497kcal | 1,127kcal |
| 40歳 | 1,464kcal | 1,094kcal |
| 50歳 | 1,431kcal | 1,061kcal |
| 60歳 | 1,398kcal | 1,028kcal |
| 70歳 | 1,365kcal | 995kcal |
体重別(40歳。男性は170cm、女性は158cmの場合)
| 体重 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 45kg | 1,234kcal | 1,037kcal |
| 50kg | 1,292kcal | 1,094kcal |
| 55kg | 1,349kcal | 1,151kcal |
| 60kg | 1,407kcal | 1,209kcal |
| 65kg | 1,464kcal | 1,266kcal |
| 70kg | 1,522kcal | 1,324kcal |
| 75kg | 1,579kcal | 1,381kcal |
| 80kg | 1,637kcal | 1,439kcal |
基礎代謝量を推定する式は、ほかにもあります。海外でよく使われる「ハリス・ベネディクトの式」「ミフリン・セントジョアの式」で上の男性の例(35歳・170cm・65kg)を計算すると、それぞれ約1,576kcal、約1,543kcalになります。式によって数十〜100kcalほどの差が出ます。
厚生労働省の年齢別の目安
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」には、年齢ごとの基礎代謝量の目安がのっています。体重1kgあたりの値(基礎代謝量基準値)に、その年代の標準的な体重(参照体重)を掛けたものです。
体重1kgあたりの基礎代謝量(1日あたり)
| 年齢 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 18〜29歳 | 23.7kcal | 22.1kcal |
| 30〜49歳 | 22.5kcal | 21.9kcal |
| 50〜64歳 | 21.8kcal | 20.7kcal |
| 65〜74歳 | 21.6kcal | 20.7kcal |
| 75歳以上 | 21.5kcal | 20.7kcal |
参照体重の人の基礎代謝量(1日あたり)
| 年齢 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 18〜29歳 | 1,490kcal | 1,130kcal |
| 30〜49歳 | 1,570kcal | 1,170kcal |
| 50〜64歳 | 1,510kcal | 1,120kcal |
| 65〜74歳 | 1,390kcal | 1,090kcal |
| 75歳以上 | 1,310kcal | 1,020kcal |
参照体重は、たとえば18〜29歳では男性63.0kg・女性51.0kg、30〜49歳では男性70.0kg・女性53.3kgです。
「体重1kgあたり」の値に自分の体重を掛けると、かんたんに目安を出せます。35歳・体重65kgの男性なら、22.5 × 65 = 約1,463kcalです。
この「体重1kgあたり」の値は、標準的な体格の人に合うように決められています。太っている人が使うと基礎代謝量が実際より多めに、やせている人が使うと少なめに出やすくなります。体格が標準から離れている人は、身長と年齢も使う前の章の式で計算するほうが向いています。
1日の消費カロリーの出し方
基礎代謝量は、じっとしているときに使う分だけです。実際には、歩いたり、仕事や家事をしたりして、もっと多くのエネルギーを使っています。
1日に使うエネルギーの目安は、基礎代謝量に「身体活動レベル」を掛けて求めます。「日本人の食事摂取基準」で使われている考え方です。
1日の消費カロリーの目安 = 基礎代謝量 × 身体活動レベル
- 低い(1.50):生活の大部分を座って過ごし、動くことが少ない
- ふつう(1.75):座り仕事が中心だが、通勤・買い物・家事・軽い運動などで動く
- 高い(2.00):立ち仕事や移動の多い仕事をしている、または活発な運動の習慣がある
この値は18〜64歳のものです。65歳以上では、これと少しちがう値が使われます。
計算例
基礎代謝量が1,481kcalの男性(35歳・170cm・65kg)の場合です。
| レベル | 計算 | 1日の目安 |
|---|---|---|
| 低い | 1,481 × 1.50 | 約2,222kcal |
| ふつう | 1,481 × 1.75 | 約2,592kcal |
| 高い | 1,481 × 2.00 | 約2,962kcal |
基礎代謝量が1,127kcalの女性(30歳・158cm・50kg)なら、低い 約1,691kcal、ふつう 約1,972kcal、高い 約2,254kcalです。
同じ人でも、活動量によって大きな差が出ます。上の男性の例では、「低い」と「高い」で740kcalちがいます。座っている時間が長く、運動の習慣がない人は「低い」、通勤や家事などで毎日よく動く人は「ふつう」が目安です。
無料の計算ツール基礎代謝・消費カロリー性別・年齢・身長・体重を入れると、基礎代謝量と、活動量ごとの1日の消費カロリーの目安を計算できます。使ってみる ›厚生労働省の「推定エネルギー必要量」
「日本人の食事摂取基準(2025年版)」には、年齢ごとに1日に必要なエネルギーの目安(推定エネルギー必要量)ものっています。年齢ごとの基礎代謝量に、身体活動レベルを掛けて求めた値です。
男性(1日あたり、単位はkcal)
| 年齢 | 低い | ふつう | 高い |
|---|---|---|---|
| 18〜29歳 | 2,250 | 2,600 | 3,000 |
| 30〜49歳 | 2,350 | 2,750 | 3,150 |
| 50〜64歳 | 2,250 | 2,650 | 3,000 |
| 65〜74歳 | 2,100 | 2,350 | 2,650 |
| 75歳以上 | 1,850 | 2,250 | − |
女性(1日あたり、単位はkcal)
| 年齢 | 低い | ふつう | 高い |
|---|---|---|---|
| 18〜29歳 | 1,700 | 1,950 | 2,250 |
| 30〜49歳 | 1,750 | 2,050 | 2,350 |
| 50〜64歳 | 1,700 | 1,950 | 2,250 |
| 65〜74歳 | 1,650 | 1,850 | 2,050 |
| 75歳以上 | 1,450 | 1,750 | − |
75歳以上の「ふつう」は自立して生活している人、「低い」は自宅にいてほとんど外出しない人にあたります。
これは、その年代の標準的な体格の人の値です。体の大きさは人によってちがうので、自分の身長と体重で計算した値のほうが、自分に合った目安になります。
食事の量を考えるときの使い方
1日の消費カロリーの目安がわかると、食べる量を考える手がかりになります。
- 食べた分(摂取カロリー)が使った分(消費カロリー)と同じなら、体重は変わりません。
- 食べた分のほうが多ければ体重は増え、少なければ減ります。
ただし、計算で出した消費カロリーは目安です。実際に合っているかどうかは、体重の変化で確かめます。体重が増えも減りもしていなければ、食べている量と使っている量がつり合っています。
体重を減らしたいとき
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、体脂肪を1kg減らすのに必要なエネルギーを約7,000kcalとしています。この数字を使うと、1日あたりどのくらい減らせばよいかを計算できます。
1日に減らすエネルギー = 減らしたい体重(kg) × 7,000 ÷ かける日数
1か月(30日)で1kg減らすなら、1 × 7,000 ÷ 30 = 1日あたり約233kcalです。3か月(90日)で3kg減らす場合も、3 × 7,000 ÷ 90 = 約233kcalで同じになります。
同じガイドでは、この分を「体を動かして使う分」と「食事で減らす分」に分けて考えるようにすすめています。たとえば233kcalのうち、100kcalほどを歩く時間を増やして使い、残りを食事で減らす、という考え方です。歩いて使うカロリーは、運動・活動の消費カロリー計算で計算できます。
持病がある人、薬を飲んでいる人、食事について医師や管理栄養士の指導を受けている人は、その指導を優先してください。
計算するときの注意
- 計算で出るのは推定の値です:どの式も、多くの人を測った結果から作られています。同じ身長・体重・年齢でも、基礎代謝量は人によってちがいます。
- 筋肉の量でも変わります:同じ体重なら、筋肉の多い人のほうが基礎代謝量は多くなります。式には筋肉の量が入っていないので、筋肉の多い人では少なめに、少ない人では多めに出ることがあります。
- 18歳以上の人が対象です:成長期の子どもは、成長のためのエネルギーが別に必要です。この記事の計算はあてはまりません。
- 妊娠中・授乳中は、必要なエネルギーが増えます:「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、妊娠の初期は1日50kcal、中期は250kcal、後期は450kcal、授乳中は350kcalを足すとしています。
- 体組成計の表示とは一致しません:体重計や体組成計に出る基礎代謝量は、それぞれの機器の方法で推定した値です。この記事の式で計算した値と同じにはなりません。
身長と体重のバランスを見るBMIについては、「BMIの計算方法と適正体重の出し方」で説明しています。BMIはBMI計算ですぐに調べられます。
まとめ
- 基礎代謝量は、じっとしていても使うエネルギー。1日に使うエネルギーの約6割を占める
- 性別・年齢・身長・体重から計算式で推定できる。男性・35歳・170cm・65kgなら約1,481kcal
- 体重が1kg増えると約11.5kcal増え、年齢が1歳上がると約3.3kcal減る
- 1日の消費カロリーの目安は「基礎代謝量 × 身体活動レベル(1.50/1.75/2.00)」
- 計算で出るのは目安。実際に合っているかは、体重の変化で確かめる