複利とは?単利との違いと「72の法則」を計算例で解説
複利とは、ついた利息を元金に加えて、その合計に次の利息がつくしくみです。100万円を年5%の複利で運用すると、10年後は約162.9万円、30年後は約432.2万円になります。
- 単利:最初の元金にだけ利息がつく。毎年の利息は同じ額
- 複利:元金と、それまでの利息の合計に利息がつく。毎年の利息が増えていく
- 複利の計算式:将来の金額 = 元金 ×(1 + 年利率)の年数乗
- 2倍になる年数の目安:72 ÷ 年利率(%)
この記事では、単利と複利の違いと計算のしかたを、100万円を年5%で運用した例で説明します。金利が低いとき、利息がつく回数が違うとき、税金がかかるときに、結果がどう変わるかもまとめました。
単利と複利の違い
- 単利:利息は、最初の元金にだけつきます。100万円・年5%なら、利息は毎年5万円です。
- 複利:利息は、元金とそれまでの利息を合わせた金額につきます。利息の額は、毎年少しずつ増えます。
100万円を年5%で運用したときの金額を比べます。単位は万円です。
| 年数 | 単利 | 複利 | 差 |
|---|---|---|---|
| 1年 | 105 | 105 | 0 |
| 5年 | 125 | 127.6 | 2.6 |
| 10年 | 150 | 162.9 | 12.9 |
| 20年 | 200 | 265.3 | 65.3 |
| 30年 | 250 | 432.2 | 182.2 |
1年目は、単利も複利も同じ金額です。差がつくのは2年目からで、5年では2.6万円、30年では182.2万円になります。複利の効果は、期間が長いほど大きくなります。
2つの計算式の違いは、「単利と複利の違い」のページでも説明しています。
複利の計算式
将来の金額 = 元金 ×(1 + 年利率)の年数乗
年利率は、%を100で割った小数にします。5%なら0.05です。100万円を年5%で10年なら、100万円に1.05を10回掛けて、約162.9万円になります。
1年ごとに書くと、次のように増えていきます。
- 1年後:100万円 × 1.05 = 105万円(利息は5万円)
- 2年後:105万円 × 1.05 = 110.25万円(利息は5.25万円)
- 3年後:110.25万円 × 1.05 = 約115.76万円(利息は約5.51万円)
2年目の利息が1年目より2,500円多いのは、1年目の利息5万円にも5%の利息がついたためです。
計算ツールは、1年ごとに利息の1円未満を切り捨てて計算します。そのため、上の式で出した金額と数円ずれることがあります。
複利の効果は、後半ほど大きくなる
100万円を年5%で30年運用したとき、10年ごとに増える金額は次のとおりです。
| 期間 | 増える金額 |
|---|---|
| 1〜10年目 | 約62.9万円 |
| 11〜20年目 | 約102.4万円 |
| 21〜30年目 | 約166.9万円 |
同じ10年でも、最後の10年に増える金額は、最初の10年の約2.65倍です。利息がつくもとの金額が大きくなっているためです。
1年分の利息でくらべても、1年目は5万円、10年目は約7.76万円、20年目は約12.63万円、30年目は約20.58万円と増えていきます。
100万円はいくらになるか(早見表)
100万円を複利で運用したときの金額です。単位は万円です。
| 年利率 | 10年 | 20年 | 30年 |
|---|---|---|---|
| 1% | 110.5 | 122.0 | 134.8 |
| 3% | 134.4 | 180.6 | 242.7 |
| 5% | 162.9 | 265.3 | 432.2 |
| 7% | 196.7 | 387.0 | 761.2 |
元金が200万円なら、表の金額を2倍にします。ほかの利率や年数は、「複利計算効果 早見表」で調べられます。
金利が低いと、単利と複利の差はほとんどない
複利の効果が目に見えて大きくなるのは、利率が高いときと、期間が長いときです。利率が低いと、単利と複利の差はわずかです。
100万円を年0.2%で10年運用した例です。
- 単利:100万円 + 2,000円 × 10年 = 102万円
- 複利:約102万181円
差は、10年で約181円です。預金のように利率が低いものでは、単利か複利かよりも、利率そのものの違いのほうが結果に大きくひびきます。
72の法則:2倍になる年数の目安
複利でお金が2倍になるまでのおよその年数は、72を年利率(%)で割ると出せます。
2倍になる年数 ≒ 72 ÷ 年利率(%)
| 年利率 | 72の法則 | 実際の年数 |
|---|---|---|
| 1% | 72年 | 約69.7年 |
| 2% | 36年 | 約35.0年 |
| 3% | 24年 | 約23.4年 |
| 5% | 14.4年 | 約14.2年 |
| 7% | 約10.3年 | 約10.2年 |
| 8% | 9年 | 約9.0年 |
| 10% | 7.2年 | 約7.3年 |
暗算でできる目安としては、十分に近い値です。利率が低いときは、実際より少し長めに出ます。
必要な利率を出す
72の法則は、逆向きにも使えます。「10年で2倍にするには年利何%が必要か」は、72 ÷ 10 = 7.2% と出せます。実際に必要な利率は約7.18%です。
3倍になる年数は「115の法則」
3倍になるまでのおよその年数は、115を年利率(%)で割ると出せます。年5%なら 115 ÷ 5 = 23年で、実際は約22.5年です。
利息がつく回数で、結果は少し変わる
利息が元金に加わる間隔は、1年ごととは限りません。半年ごとに利息がつくものを「半年複利」、1か月ごとのものを「1か月複利」と呼びます。
年5%の半年複利なら、半年ごとに 5% ÷ 2 = 2.5% の利息がつきます。100万円を年5%で運用した場合の金額です。単位は万円です。
| 利息がつく間隔 | 10年後 | 30年後 |
|---|---|---|
| 1年ごと | 162.9 | 432.2 |
| 半年ごと | 163.9 | 440.0 |
| 1か月ごと | 164.7 | 446.8 |
同じ「年5%」でも、利息がつく回数が多いほど、金額は少し大きくなります。1年間の増え方に直すと、半年複利は年約5.06%、1か月複利は年約5.12%にあたります。
税金が引かれると、複利の効果は小さくなる
預金の利息からは、受け取るたびに20.315%の税金(所得税など15.315%と、住民税5%)が引かれます。次の利息がつくのは税金を引いたあとの金額なので、そのぶん複利の効果は小さくなります。
毎年の利息から20.315%が引かれる場合、手元に残る利率は 5% ×(1 − 0.20315)= 約3.98% です。100万円を年5%で運用した場合で比べます。単位は万円です。
| 年数 | 税金なし | 毎年引かれる |
|---|---|---|
| 10年 | 162.9 | 147.8 |
| 20年 | 265.3 | 218.4 |
| 30年 | 432.2 | 322.9 |
30年では、約109万円の差になります。
借りるときの利息
借入の利息は、残っている元金と、借りていた日数に応じて計算されます。毎月の返済でその月の利息を払っていれば、利息に利息がつくことはありません。
それでも返済が長引くと利息の総額が大きくなるのは、元金がなかなか減らないためです。50万円を年15%で借りて、1年間元金が減らなかったとすると、1年分の利息は 50万円 × 0.15 = 7.5万円です。毎月の返済額が少ないと、返済の多くが利息にあてられ、元金が減るのに時間がかかります。
よくある勘違い
- 「年5%で20年なら、5% × 20 = 100%増えて2倍になる」:これは単利の計算です。複利では、20年で約2.65倍になります。
- 「複利なら、短い期間でも大きく増える」:1年目は単利と同じです。100万円・年5%の例では、5年たっても差は約2.6万円です。
- 「利率が2倍なら、増える金額も2倍になる」:100万円を30年運用すると、年3%では約142.7万円、年6%では約474.3万円増えます。利率は2倍ですが、増える金額は約3.3倍です。
毎月積み立てる場合
毎月決まった額を積み立てる場合も、複利の考え方は同じです。ただし、あとから入れたお金ほど運用される期間が短くなるので、計算式は別のものを使います。くわしくは「積立投資の複利計算」で説明しています。
この記事の計算は、利率がずっと同じだった場合の目安です。投資の利回りは毎年変わり、元本を下回ることもあります。手数料は考えていません。特定の金融商品をすすめるものではありません。
計算ツール
無料の計算ツール複利計算元金・利率・期間を入れると、複利で増えた金額と、1年ごとの明細を計算できます。使ってみる ›まとめ
- 複利は、利息にも利息がつくしくみ。単利との差は2年目からつき、期間が長いほど大きくなる。
- 計算式は「元金 ×(1 + 年利率)の年数乗」。100万円・年5%なら、10年で約162.9万円、30年で約432.2万円。
- 2倍になる年数は「72 ÷ 年利率」、3倍になる年数は「115 ÷ 年利率」でおよそわかる。
- 利率が低いと、単利と複利の差はわずか。年0.2%・10年・100万円では約181円。
- 利息がつく回数が多いほど金額は少し増え、利息から税金が引かれると複利の効果は小さくなる。