ナンピン買いとは?平均取得単価の計算方法と、損益がゼロに戻る価格
ナンピン買い(難平買い)は、持っている株などが値下がりしたときに買い増して、1株あたりの平均の買値(平均取得単価)を下げることです。
- 平均取得単価 = 買った金額の合計 ÷ 買った数量の合計
- 買い増すと、損益がゼロに戻る価格が下がる
- そのかわり、さらに値下がりしたときの損失は大きくなる
この記事は計算のしかたの説明で、ナンピン買いをすすめるものではありません。
平均取得単価の計算
平均取得単価は、買った金額の合計を、買った数量の合計で割って出します。
平均取得単価 =(価格1 × 数量1 + 価格2 × 数量2 + …)÷ 数量の合計
1,000円で100株を買ったあと、800円に下がったところで100株を買い増した場合です。
- 買った金額の合計:1,000円 × 100株 + 800円 × 100株 = 180,000円
- 数量の合計:200株
- 平均取得単価:180,000円 ÷ 200株 = 900円
価格の平均ではない
平均取得単価は、買った価格を足して回数で割ったものではありません。数量の多い回の価格に近づきます。
1,000円で100株、900円で100株、800円で200株を買った場合、価格の単純な平均は900円ですが、平均取得単価は 350,000円 ÷ 400株 = 875円です。安い価格でたくさん買ったので、単純な平均より低くなります。
同じ金額ずつ買う場合
毎回同じ数量を買う場合と、毎回同じ金額を買う場合では、平均取得単価が変わります。価格が1,000円、800円、500円のときに3回買った例です。
- 同じ数量(100株ずつ):平均取得単価は約767円
- 同じ金額(10万円ずつ):平均取得単価は約706円
同じ金額ずつ買うと、安いときに多く、高いときに少なく買うことになるので、平均取得単価は低くなります。
買い増すと、損益がゼロに戻る価格が下がる
1,000円で100株を持っていて、値下がりした価格で買い増した場合に、そこから何%上がれば損益がゼロに戻るかをまとめました。「価格」は値下がりして買い増す価格、「なし」は買い増さない場合、「100株」「300株」は買い増す数量です。
| 価格 | なし | 100株 | 300株 |
|---|---|---|---|
| 900円 | 11.1% | 5.6% | 2.8% |
| 800円 | 25.0% | 12.5% | 6.3% |
| 700円 | 42.9% | 21.4% | 10.7% |
| 500円 | 100.0% | 50.0% | 25.0% |
800円に下がった株は、買い増さなければ、25%上がって1,000円に戻らないと損益がゼロになりません。100株を買い増すと平均取得単価が900円になり、12.5%の上昇でゼロに戻ります。
買い増す数量が多いほど、戻るのに必要な上昇は小さくなります。これがナンピン買いのねらいです。
さらに値下がりすると、損失は大きくなる
買い増すと、持っている数量が増えます。そのあとさらに値下がりすると、損失の金額は買い増す前より大きくなります。
1,000円で100株を持ち、800円で買い増したあと、700円、600円、500円まで下がった場合の損益です。単位は万円です。
| 買い増し | 700円 | 600円 | 500円 |
|---|---|---|---|
| なし | −3 | −4 | −5 |
| 100株 | −4 | −6 | −8 |
| 200株 | −5 | −8 | −11 |
| 300株 | −6 | −10 | −14 |
600円まで下がった場合、買い増しをしなければ損失は4万円です。800円で300株を買い増していると、損失は10万円になります。
投資した金額も増えています。買い増しなしでは10万円、300株を買い増した場合は34万円です。1つの銘柄にお金が集まるので、その銘柄が下がり続けたときの影響が大きくなります。
買い増す前に確認すること
- 値下がりの理由:一時的な値動きなのか、業績の悪化など理由のある値下がりなのかで、その後は大きく変わります。
- 使ってよい金額の上限:買い増しに使う金額と回数を、先に決めておきます。
- どこまで下がったらやめるか:損失を確定させる価格を決めておくと、判断がぶれにくくなります。
- 手数料:売買の手数料は、損益の計算から引きます。
税金の計算で使う取得単価
株を売ったときの税金は、売った金額から取得費を引いた利益にかかります。同じ銘柄を2回以上に分けて買った場合の取得費は、国税庁の決まりで、平均の単価(総平均法に準ずる方法)で計算します。
- 買ったときの手数料は、取得費に含めます。
- 1株あたりの取得単価に1円未満の端数が出たときは、切り上げます。
- 一部を売ったあとに買い増した場合は、「売る前の平均単価 × 残っている数量」と、新しく買った金額を合計して、平均を計算し直します。
たとえば800円で5,000株、850円で2,000株を買った場合、平均は 5,700,000円 ÷ 7,000株 = 814.28…円で、切り上げて815円が1株あたりの取得単価になります。
証券会社の画面に出る平均取得単価も、手数料を含め、端数を切り上げた金額になっていることがあります。自分で計算した数字と少し違うのは、このためです。
平均取得単価はツールで計算できます
無料の計算ツールナンピン計算機買った価格と数量を入れると、平均取得単価と合計金額を計算できます。目標価格を入れると、そのときの損益もわかります。使ってみる ›目標の平均取得単価にするために必要な数量の出し方は、ナンピン計算機のページで説明しています。
まとめ
- 平均取得単価は、買った金額の合計を数量の合計で割って出します。
- 買い増すと、損益がゼロに戻る価格が下がります。
- さらに値下がりしたときの損失は、買い増す前より大きくなります。
- 買い増しに使う金額と、やめる価格を先に決めておきます。
- 税金の計算では、手数料を含め、1円未満を切り上げた平均の単価を使います。