抽選・くじ引きを公平に行う方法|乱数の使い方と当たる確率

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抽選やくじ引きを公平に行うコツは、くじを引く前に、決まりをすべて決めておくことです。決まりが先にあれば、どんな結果が出ても、あとから手を加える余地がなくなります。

  • 抽選の前に、名簿の番号・当選数・補欠の数を決める。結果が出たら、やり直さない
  • 名簿に1から番号を振り、乱数で「重複なし」の番号を当選数だけ作る
  • 当たる確率 = 当選数 ÷ 参加者数。くじを引く順番で、確率は変わらない
  • 何回も参加したときに1回以上当たる確率 = 1 −(1回も当たらない確率)

この記事では、乱数を使った抽選の手順と、当たる確率の計算のしかたを説明します。じゃんけん・あみだくじ・サイコロで決めるときの注意点もまとめました。

公平な抽選の3つの条件

抽選が公平だと言えるのは、次の3つがそろっているときです。

  • 全員の当たる確率が同じ:1人1口なら、だれもが同じ確率で当たる。口数に差をつける場合は、どの1口も同じ確率で当たる。
  • 結果をだれも操作できない:抽選する人にも、次に何が出るかがわからない。
  • あとから確かめられる:どの名簿を使い、どんな結果が出たかを、参加者が見られる。

1つ目と2つ目は、乱数やくじを使えば満たせます。3つ目は道具では解決できないので、抽選の進め方で補います。

抽選の前に決めておくこと

くじを引く前に、次の5つを決めて、参加者に伝えておきます。

  1. 対象者の名簿と番号:申し込みを締め切ってから名簿を確定し、1から順に番号を振ります。番号は、抽選のあとで変えません。
  2. 当選数と補欠の数:何人を選ぶか。辞退が出たときのために、補欠を何人決めておくか。
  3. 抽選の方法:何を使って、いつ、だれが抽選するか。
  4. 辞退や連絡がつかないときの扱い:補欠の何番目の人から順に繰り上げるか。
  5. やり直しをしないこと:出た結果を、そのまま使います。

やり直しをしてはいけない理由

結果を見てから「もう1回」を認めると、やり直すかどうかを決める人の考えが、結果に入りこみます。

たとえば、当選確率10%の抽選で、ある人だけが「外れたら2回までやり直せる」とします。この人が当たる確率は、3回とも外れる確率(0.9 × 0.9 × 0.9 = 0.729)を1から引いて、27.1%になります。ほかの人の約2.7倍です。

押しまちがいや設定のまちがいでやり直す場合も、「どういうときにやり直すか」を先に決めておくと、あとでもめません。

乱数を使った抽選の手順

30人のなかから3人を選ぶ例で説明します。

  1. 名簿の30人に、1〜30の番号を振る。
  2. 乱数生成ツールで、最小値を1、最大値を30、作る個数を3、「重複なし」にして乱数を作る。
  3. 出た3つの番号の人が、当選。

1〜30から重複なしで3個の乱数を作る ›

乱数は、どの番号も同じ確率で出るように作った数です。番号の振り方(申し込み順、五十音順など)は、当たりやすさに関係しません。大切なのは、抽選の前に番号を決めておくことだけです。

「重複なし」を選ぶ

抽選では、同じ番号が2回出ない「重複なし」を選びます。

「重複あり」は、サイコロを何回も振るのと同じで、同じ番号がまた出ることがあります。1〜30から重複ありで5個作ると、同じ番号が1組以上出る確率は約29.63%です。10回のうち3回ほどは、当選者が足りなくなって引き直すことになります。

補欠(繰り上げ当選)も一度に決める

当選3人と補欠2人を決めるなら、乱数を5個作ります。並び順は「出た順」のままにします。

  • 1〜3番目に出た番号:当選
  • 4番目に出た番号:補欠の1位
  • 5番目に出た番号:補欠の2位

「小さい順」に並べかえると、どの番号が先に出たかがわからなくなります。順位を決めるときは「出た順」を使ってください。

1〜30から重複なしで5個(当選3+補欠2)を作る ›

順番決め・席替え・班分け

全員の順番を決めるときは、人数と同じ個数の乱数を、重複なしで作ります。30人なら、1〜30の番号が1回ずつ、ばらばらの順番で並びます。

  • 発表や当番の順番:出た順に、1番目、2番目…とする。
  • 席替え:席にも1〜30の番号を振っておき、出た順に1番の席から座る。
  • 班分け:出た順に6人ずつ区切ると、6人の班が5つできる。

1〜30を重複なしでばらばらに並べる ›

結果を見せる・残す

乱数生成ツールの結果は保存されず、ページを読み込み直すと別の数になります。あとから確かめられるように、次のようにします。

  • 名簿(番号と名前の対応)を、抽選の前に参加者と共有する。
  • 参加者の前で、画面を見せながらボタンを押す。オンラインなら、画面を共有する。
  • 出た結果は、その場でコピーするか、画面を画像で保存して残す。

当たる確率の計算

1人1口の抽選で、ある人が当たる確率は、当選数を参加者数で割ると出せます。

当たる確率 = 当選数 ÷ 参加者数

30人から3人を選ぶなら、3 ÷ 30 = 0.1 で、10%です。

参加者数当選数当たる確率
10人1人10%
30人1人約3.33%
30人3人10%
30人5人約16.67%
100人3人3%
100人10人10%
1,000人10人1%

「倍率」は、参加者数を当選数で割った数です。100人から10人を選ぶ抽選は、倍率10倍です。当たる確率は、1を倍率で割ると出せます。倍率10倍なら10%、倍率20倍なら5%です。

3は30の何%かを計算する ›

くじを引く順番で、当たる確率は変わるか

「先に引いたほうが有利」「残り物には福がある」のどちらも耳にしますが、引く前の時点では、何番目に引いても当たる確率は同じです。

10本のうち3本が当たりのくじで確かめます。引いたくじは戻しません。

  • 1番目の人:10本のうち3本が当たりなので、3/10(30%)。
  • 2番目の人:1番目の人が当たりを引いた場合と、外れを引いた場合に分けて考えます。
    • 1番目が当たり(3/10)で、2番目も当たり(残り9本のうち2本):3/10 × 2/9 = 6/90
    • 1番目が外れ(7/10)で、2番目が当たり(残り9本のうち3本):7/10 × 3/9 = 21/90
    • 合わせて 27/90 = 3/10(30%)

3番目より後の人も、同じように計算すると、全員が30%になります。

前の人の結果を知ったあとは変わる

確率が変わるのは、前の人の結果がわかったあとです。上の例で、2番目の人が当たる確率は次のようになります。

1番目の結果2番目が当たる確率
当たりだった2/9(約22.22%)
外れだった3/9(約33.33%)

1番目の人が当たれば2番目の人は不利になり、外れれば有利になります。この2つをならすと、ちょうど30%になります。引く順番そのものには、有利も不利もありません。

何回も参加したとき、1回以上当たる確率

同じ当選確率の抽選に何回も参加するとき、「1回以上当たる確率」は、当選確率に回数を掛けても出せません。「1回も当たらない確率」を先に出して、1から引きます。

  • 1回も当たらない確率 =(1 − 当選確率)を、参加した回数だけ掛け合わせる
  • 1回以上当たる確率 = 1 − 1回も当たらない確率

当選確率10%の抽選に、5回参加する例です。

  • 1回の抽選で外れる確率:1 − 0.1 = 0.9
  • 5回とも外れる確率:0.9 × 0.9 × 0.9 × 0.9 × 0.9 = 0.59049
  • 1回以上当たる確率:1 − 0.59049 = 0.40951 → 約40.95%

10% × 5回 = 50% にはなりません。

確率5回10回20回
1%4.9%9.56%18.21%
5%22.62%40.13%64.15%
10%40.95%65.13%87.84%
20%67.23%89.26%98.85%

左の列が1回の当選確率、上の見出しが参加した回数です。数字は、小数第3位を四捨五入したおよその値です。

当選確率1%の抽選に100回参加しても、1回以上当たる確率は約63.4%で、100%にはなりません。

この計算は、1回ごとの抽選が別々に行われ、前の結果が次の抽選に影響しない場合のものです。

1人が何口も応募できる抽選

口数に応じて当たりやすくする抽選では、人ではなく、口に番号を振ります。3口の人には、番号を3つ割り当てます。

当選が1口だけなら、当たる確率は口数に比例します。全部で100口のうち3口を持っていれば、3 ÷ 100 = 3%です。

当選が何口もあるときは、「自分の口が1つも選ばれない確率」を1から引きます。全部で100口、当選が5口、自分が3口を持っている例です。

  • 自分の3口がどれも選ばれない確率:95/100 × 94/99 × 93/98 = 約0.856
  • 1口以上当たる確率:1 − 0.856 = 0.144 → 約14.4%

当選しない95口のなかに、自分の3口が全部入る確率を出しています。

自分の口数1口以上当たる確率
1口5%
2口約9.8%
3口約14.4%
5口約23.04%
10口約41.62%

全部で100口・当選5口の場合です。口数を2倍にしても、確率はちょうど2倍にはなりません。

同じ人が2口当たったとき

口ごとに抽選すると、同じ人の口が2つ以上選ばれることがあります。上の例(100口のうち3口を持ち、当選が5口)では、約0.59%の確率で起こります。

「当選は1人1つまで」にするなら、2口目は無効にして補欠を繰り上げる、と先に決めておきます。補欠の番号も多めに作っておくと、その場で引き直さずに済みます。

じゃんけん・あみだくじ・サイコロで決めるときの注意

じゃんけん

2〜3人なら、すぐに決まります。人数が増えると、あいこが続いて決まりにくくなります。全員がグー・チョキ・パーを同じ確率で出すとき、1回のじゃんけんがあいこになる確率は次のとおりです。

人数あいこになる確率
2人約33.33%
3人約33.33%
4人約48.15%
5人約62.96%
6人約74.49%
10人約94.81%

10人では、およそ20回に19回があいこです。大人数のときは、数人ずつに分かれて行うか、ほかの方法を使います。

あみだくじ

あみだくじは、横線が少ないと、スタートの真下に近いゴールに着きやすくなります。

縦線が5本のあみだくじで、横線を1本ずつ、4つのすき間のどれかに同じ確率で引いていく場合を計算しました。左端からスタートして、左端のゴール(真下)に着く確率と、右端のゴールに着く確率です。

横線の数左端に着く右端に着く
10本約33.6%約7.1%
20本約24.9%約15.1%
40本約20.7%約19.3%

どのゴールにも同じ確率で着くなら、5本のあみだくじではすべて20%になるはずです。横線が10本では、真下のゴールと反対の端のゴールで、4倍以上の差があります。

当たりの位置を隠したまま、参加者がスタートの位置を自分で選ぶなら、この偏りはあまり問題になりません。当たりの位置が見えているときは、全員で横線をたくさん書き足してから始めてください。

サイコロ

サイコロ1個なら、6人まで決められます。1〜6の番号を振って、出た目の人が当たりです。5人以下のときは、だれの番号でもない目が出たら振り直します。

サイコロ2個の合計で決めるのは、公平ではありません。合計が7になる確率は約16.67%(36通りのうち6通り)ですが、2や12になる確率は約2.78%(36通りのうち1通り)しかありません。

紙のくじ

紙のくじは、参加者が自分の手で引けるので、納得してもらいやすい方法です。くじの紙の大きさと折り方をそろえ、外から中が見えない箱に入れて、よく混ぜてから引きます。人数が多いと、くじを作る手間がかかります。

よくあるまちがい

  • 結果を見てからやり直す:やり直すかどうかを決める人が、結果を選べてしまいます。
  • 抽選のあとで番号を振る:出た番号にだれを当てるかを、あとから決められてしまいます。番号は先に確定します。
  • 「重複あり」で抽選する:同じ番号が2回出て、当選者が足りなくなることがあります。
  • 補欠の順位を決めるのに「小さい順」で並べる:出た順番がわからなくなります。
  • 前回当たった人は当たりにくいと考える:乱数は、前の結果に影響されません。前回の当選者を対象から外したいときは、名簿から外したうえで番号を振り直します。

計算ツール

乱数生成ツールは、最小値・最大値・個数を決めて、整数の乱数を作ります。「重複なし」を選ぶと、同じ番号は1回しか出ません。

無料の計算ツール乱数生成範囲と個数を決めて、整数の乱数を作ります。同じ数を出さない「重複なし」を選べるので、抽選・席替え・順番決めに使えます。使ってみる ›

確率を「何%か」に直す計算は、「パーセントの計算方法」で説明しています。

まとめ

  • 抽選の前に、名簿の番号・当選数・補欠の数・辞退のときの扱いを決める。結果が出たら、やり直さない。
  • 乱数で抽選するときは、名簿に1から番号を振り、「重複なし」で当選数だけ番号を作る。補欠の順位を決めるなら「出た順」を使う。
  • 当たる確率は、当選数 ÷ 参加者数。くじを引く順番で、確率は変わらない。
  • 何回も参加したときに1回以上当たる確率は、「1回も当たらない確率」を1から引いて出す。10%の抽選に5回参加すると、約40.95%。
  • じゃんけんは人数が多いとあいこが増える。あみだくじは横線が少ないと、真下のゴールに着きやすい。

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